
「英語でかぼちゃは?」と聞かれると多く日本人が「pumpkin」と答えます。しかし「squash」の意味も「かぼちゃ」です。
また、日本語発音で「パンプキン」や「スクアッシュ」とそのまま日本語の発音をすることで、ネイティブスピーカーに通じる場合もあるため一見簡単そうに思えますが、「pumpkin」と「squash」は日本人が正しい発音が出来ていないことが多い単語の一つなのです。
「かぼちゃ」は「pumpkin」ではない?
多くの人が答えるように「かぼちゃ」と言うのは「pumpkin」で間違いではありません。しかし、「pumpkin」と言うのはある特定の種の「かぼちゃ」を指していることを覚えておかなければなりません。
「pumpkin」と言うのは「かぼちゃ」の中でも皮がオレンジ色をしているもののみを指しているのです。このオレンジ色をしている「かぼちゃ」で思い浮かべやすいのがハロウィンの「かぼちゃ」です。
一般的にネイティブスピーカーの人に「pumpkin」と言うとオレンジ色の「かぼちゃ」を想像しますので、日本人が考えている皮が緑の「かぼちゃ」とイメージがずれてしまいます。
では、日本人が一般的に食卓で食べる「かぼちゃ」は英語で何と言うのでしょうか?それは「squash」です。「squash」と言うのは「かぼちゃ」を幅広くとらえた単語で、「pumpkin」も「squash」の1種類であると認識しておくと良いです。
「squash」の種類分け
海外では多くの種類の「squash」(かぼちゃ)が売られていますが、大きく分けて「squash」は2つの種類に分けられます。
1つ目が「summer squash」と呼ばれるものです。日本の食卓では少し珍しいズッキーニなどがこの「summer squash」に分類されます。「summer squash」はかぼちゃが成熟して皮が硬くなる前に収穫したものを指しています。
2つ目が「winter squash」です。「winter squash」は「summer squash」と逆に完全に成熟して皮が硬くなった後に収穫したものを指します。日本で一般的に食べられている「かぼちゃ」もハロウィンなどで有名な「pumpkin」もこの「winter squash」の部類になります。
「pumpkin」の発音は?
「pumpkin」の日本語発音は「パンプキン」です。おそらくネイティブスピーカーに日本語発音で話しても聞き取ってくれるでしょう。しかしやはり正しい英語の発音は身に付けたいものです。
「pumpkin」の発音記号は「pʌ́mpkin」です。特に発音でポイントとなる部分は「ʌ́」です。「ʌ́」の発音記号は日本語の「あ」に似た発音ともいわれていますが、厳密にいうと大きく異なります。
通常の日本語の「あ」よりも口を少し小さめに開いた状態で、脱力気味に発音すると良いといわれています。
これはよくネイティブスピーカーが言葉に詰まった時に発する「Ummm」と言うときの「あ」と同じ音になりますし、その他の単語では「fun」の「u」と同じ発音になります。
日本語には母音が5つのみの音がありますが、英語は日本語より母音の数が多く26個あります。ネイティブ発音に近づくためには「pumpkin」の「u」の発音をしっかりマスターすることがポイントとなります。
「squash」の発音は?
「squash」の場合はどうでしょうか?日本の発音では「スクアッシュ」と発音するのが一般的です。
「squash」の発音記号は「skwɑ’ʃ」です。
この単語を正しい発音に近づけるポイントは「sh」の発音にあります。「sh」の「シュ」と言う発音は日本語にもありますが、実は英語の「sh」と日本語の「シュ」は異なります。「pumpkin」の「u」の発音でもあったように日本人には同じに聞こえる音でもネイティブスピーカーはしっかりその音の違いを聞き分けているのです。
英語の「sh」の正しい発音をするには舌の左右を折り曲げることです。折り曲げた状態で発音することで英語の「sh」の発音をきれいにすることができ、「squash」も正しくきれいに発音することが出来るようになります。
この「sh」の発音と言うのは日本人が小さな子供を静かにするときに顔の前で人差し指を立てて「しー」と言う時の音なのです。日本の生活では普段はなかなか使わない音ですが、英語で「sh」を含む単語は非常に多く、「squash」以外にも「shelf」,「sheep」など多くの単語で使われていますので、マスターすることで英語の発音力が上がります。
英語の発音を学ぶには?
正しい英語の発音をマスターするためにはシャドーイングを行うこととネイティブスピーカーに教えてもらうことが必要になります。シャドーイングは聞いた文章をそのまま口に出してコピーを何度も行う学習方法ですが、一人でも発音を学ぶことが出来るので英語学習者の多くの人が実践している方法です。
シャドーイングを行うことである程度の発音を習得することが出来るほか、単語ごとのアクセントや文章中に区切り、そして英語のリズムを身体に染み込ませることができます。
ある程度の発音レベルで良ければシャドーイングで十分ですが、ネイティブスピーカーと同等の発音を行いたいと思われている方はシャドーイングでカバーしきれない発音の修整をネイティブスピーカーに行ってもらうことが必要となります。
おわりに
英語で「かぼちゃ」と言うと「pumpkin」と言うのが浸透してしまっていますが、正しくは「squash」や「winter squash」と言った方がより正確で、「pumpkin」は日本の一般的なかぼちゃとは別物であることを認識しておくことが大切です。
また、「pumpkin」や「squash」は日本語のカタカナ発音で「パンプキン」「スクアッシュ」と言いやすい単語ですが、これは英語の音と日本語の音が区別できないので、聞こえてしまっているのです。英語と日本語に全く同じ音はありませんので、きちんとネイティブスピーカーの耳には異なる音に聞こえています。
今回ご紹介した発音のポイントは非常に汎用性が高く「pumpkin」や「squash」以外の単語でも応用することができますので、しっかりと練習して正しい英語の発音をマスターしていくことが大切です。