
英会話教材などの聞き流しをすることで英語が喋れるようになるといった話もありますが、それは個人がどれだけの英単語を知っているか、どれだけ英語の知識があるかによって大きく左右されます。洋楽の聞き流しも同じであり、まったく英語の知識がない人が単に洋楽を聞き流しても、英語力の向上につながる可能性は低いでしょう。
私自身、学生時代に洋楽の聞き流しは頻繁に行っていましたが、英語力がぐんぐん伸びたというような経験はありませんでした。どちらかというとリスニング力よりも、わからない単語を調べることで語彙力が身についたと思います。
洋楽の聞き流しで効率的に英語力が向上しにくい理由として、英語の知識がない人が洋楽を聞いてもそれは単に音でしかないからです。単語がどのような響きなのかを知らない限りは、いくら聞いても意味がありません。
洋楽の聞き流しで英語力を上げる方法
洋楽の聞き流しで英語力を上げるのは効率的ではありませんが、方法次第で効果はあります。そこで、本章では洋楽の聞き流しで英語力を上げる方法を紹介します。
単語を覚える
日本語でも同じことですが、単語の読み方、意味を知らないと頭に入りにくいと思います。英語も同じであり、まず単語を知らないと聞き取ることもできません。
例えば「I wanna love you」というシンプルな文でもどのように発音するか知らないとただの音にしか聞こえません。「アイワナラヴユー」と、どのような音で、どのように発音するかを知ったうえで曲を聞けば、発音のコツをつかむ手助けにもなります。
洋楽に出てくる単語は決まったものが多いのである程度の単語を覚えればたいていの曲の単語はカバーできます。より多くの単語を覚えれば、聞き取れる単語の量も多くなるのでまずは単語をたくさん覚えることが大切です。
歌詞を見ながら、聞き取れるかどうかに挑戦してみる
歌詞を見ながら洋楽を聞くのは英語の語彙力を養うのに役立ちます。
私が試していた方法は、まずは歌詞を見て知らない単語や発音の知らない単語を調べ、どのような発音なのかを調べてから曲を聞きます。聞き取れる部分もあれば、歌詞を見ながらでも聞き取れない部分があるので、リスニング力を高める訓練にもなります。
ネイティブスピーカーは単語1つ1つをはっきりと分けて発音せず単語をくっつけて発音することが多々あります。
例えば「I gotta get out of here」は「アイガッタゲットアウトオブヒア」と読めますがネイティブの発音は「アイガタゲッアウトゥブヒア」というように流れるような発音になります。
スローな曲を聞く
もし洋楽の聞き流しをする場合はスローな曲から聞いてみることをおすすめします。
テンポの速い曲、ラップなどは単語が聞き取りづらく、歌詞を見ながらでもついていくのが大変な場合もあるのでスローな曲を聞くのが良いでしょう。スローな曲を聞き取れることができるようになったら、テンポの速い曲に挑戦してみるのが良いかと思います。
昔のアーティストではビリー・ジョエルやビートルズ、カーペンターズなどは難しい単語を使用せず、発音もはっきりしているので初心者には向いています。最近の歌手ですとテイラー・スウィフト、ブルーノ・マーズなども発音がきれいであり、スローな曲もあるのでおすすめです。
同じ曲を繰り返し聞く
単語の発音を理解しても、実際に曲を聞いてみるとなかなか聞き取れないといったことがよくあります。最初は慣れないかもしれませんが、何回か繰り返し聞くことで聞き取れるようになることがあります。
これは音楽だけでなく、英会話でも同じことが言えます。耳がだんだん英語のスピードに慣れてきて、より多くの音が拾えるようになるのです。
洋楽よりも映画やドラマを見るのが効果的
英語力を向上させたいならば、洋楽を聞き流すより英字幕付きで映画や海外ドラマを視聴することをおすすめします。
映画やドラマで使われている英語は、ネイティブスピーカーが日常生活で使用している英語そのままなので、生きた英語で勉強することができます。
専門的な用語を使用するジャンルはわかりにくいところもあるので、コメディ、ロマンスなど、比較的簡単な英語を使用するジャンルなどをおすすめします。「ゴシップガール」、「フレンズ」、ミュージカル系で音楽も楽しめる「グリー」なども楽しみながら見ることができます。
洋楽の聞き流し、映画やドラマを英字幕で見るのには中学レベルの英語力があれば十分です。実際にネイティブスピーカーが使う英語はカジュアルなものであり、中学レベルの基本的な文法や英単語を理解しておけばほとんどの内容は理解できるものなのです。
ただし、学校で習う英語と違いネイティブスピーカーはかなり早く喋るので、スピードとしゃべり方の癖は慣れていくしかありません。
おわりに
英語力向上のための洋楽の聞き流しは、やり方を工夫することでその効果を発揮することができます。何事もただやるだけでは意味がありません。単に聞き流すだけでなく、目的をしっかりと持って行うことで英語力向上を目指すことができます。